第二話 壊れてゆくこの日常の中で(個別ヘッドライン 玉-1
日曜朝九時、うららかな春の日差しが差し込む寝室で目覚めた美少女 黒石玉。
寝ぼけまなこな貴女を、1階から母親が呼んでいます。
礼拝
「ロザリオは持った?
信仰は人の内面に宿るけど、それを表す形もまた大切なの。
特にロザリオは、教会から拝領した、信仰の証。
スマートフォンみたいに、壊したりしていれば、もうお母さん悲しくてどうしたらいいか
わからなくなっちゃうわ…。」
母はかなりガチなメシア教徒です。
神が貴女を愛するように、私も貴女を愛していますからね…。
母のお小言
「タマちゃん、そろそろ準備をしないと、礼拝に遅れるわよ。
今日の礼拝は大勢の方が無くなった事故の追悼会も
兼ねてるの。
教会の聖歌隊の方も亡くなってるのよ。
くれぐれも、失礼な事、わがままな事をしてはいけませんよ…。」
「この前も、いきなり癇癪起こしてスマートフォン壊しちゃったでしょう?
貴方は神に仕える聖女なの。そんなことじゃいけないわ!」
再会
「黒石さん…いらっしゃったのですか…。」
礼拝に訪れると、世話役のモブキャラ、佐藤さんが出迎えてくれます。
「これも神の慈悲でしょうか…。さぁ、どうぞ。」
礼拝堂入ると、すでに信者達で席が埋まっています。
「黒石さん。申し訳ないですが、席はもう無いです。私と一緒に、こちらの隅でお祈りしましょう」
進行役のアナウンス。
「では、追悼式の前に、転任されました鈴木神父に代わり赴任された神父様からのご挨拶です。では、宗像神父、お願いします。」
宗像神父
「はじめまして。この度生野チェンバレン教会に赴任いたしました、ザイン・宗像 晴久(むなかた はるひさ)です。
新任早々不信心な者たちのトラブルに巻き込まれましたが、友人から頂いたブローチのおかげで命を拾いました。
神の導きの元生まれた友情は、貴方と隣人に幸福をもたらすでしょう…。」
何故でしょう?神父とは思えぬ屈強な神父様…とっても見覚えのある顔です。
※騒ぎ出した場合、佐藤に連れ出され、そのまま自宅に送致される。
騒いだ場合
「なんということだ…せめて最後の祈りをと思ったのに、それも適わないなんて…。」
佐藤さんに引っ張られ、そのまま車に押し込められ、自宅へ帰還します。
「貴女のお宅に伺います。せめて礼拝の後にと思ったのに…あぁ…どうしてこうなってしまったのか?」
騒がなかった
追悼式が終わり、帰宅しようとしているところに、佐藤さんが声をかけます。
「黒石さん、お疲れ様です。今日はご両親にお話がありますので、お宅に伺わせて頂きます。さ、こちらの車に。」
「黒石さん、お疲れ様です。今日はご両親にお話がありますので、お宅までご一緒させて頂きます。さ、こちらの車にお乗りください。」