第二話 壊れてゆくこの日常の中で(個別ヘッドライン 多可良
平凡な青年の平凡な非現実
上級者プレイ
朝からチャイムが鳴っているようです。
※出なかった場合はピッキングで入ってきます。
あらら、ダメよオジさん。こんな安物の鍵使ってちゃ。
「こんにちわ、あんたのファンよ。バイト先で調べさせてもらったの。上がっていいかしら?」
と、言いながら土足でズカズカと上がりこんできます。これが肉食系女子ってヤツでしょうか。
女が踏んだ箇所から、パキパキと恒例の異界化現象です。ありがとうございます!
「あんたに聞きたい事があるの。ok?
金曜の夜、アンタのバイト先に男が侵入したでしょ?
そいつは追われていたわ。そいつから何を聞いたの?
何を渡されたの?10秒以内に答えて。」
どう答えようが、納得のいく答えにはならないので指折られます。
「おぉ~、あんたの指って、なんて折心地が良いの!クセになりそうだわ」
「あいつは私の飼い主から、大事なデータを盗んでいてね、それを持ち出そうとしたところを追われてたってワケよ」
「結局逃げ切られてご主人様はお怒りでね、何とかしないといけないの。出来ればさっさと吐いて楽にならない?
可愛い少年少女ならともかく、アンタみたいなくたびれたおっさんいたぶるなんて、本来ならお金払ってほしいレベルだわ。
でも、どうせ死ぬなら、五体満足に死んだほうがあの世での生活も捗るんじゃない?」
まぁ、どうしてもっていうなら構わないわよ?店先で伸びてる店長さんにもう一度聞いてみるのも良いしね。
良い上司じゃない。羨ましいわ。私がアンタの所にいくって言ったら、泣いてすがって止めてくるんだもの。
面白いからビール瓶叩きつけたら黙っちゃった。まだ死んでなければ良いけど。
女の背後に、怖そうな犬がうっすらと見えます。(前にタマが見せたモフモフな犬とは違うようです)
納戸悟、推参
突然が女が悲鳴を上げ、飛び退ると、あっという間に異界化が解けていきます。
「異界化ってヤツは、術者の心が強く影響するもんだが、アンタの心はサラダせんべいか?先日の変な宗教家とは随分な差だ」
なんか、つい先日無様晒した人がかっこつけて現れました。どうやら彼が投げたのでしょう。女の肩に、ナイフが突き刺さっています。
泣きダッシュ
女「うぅ…ひ、ひどい、なんてことするの。私はキミに何もして無いのに…。」
ボロボロと涙を零しながら女は少年に抗議しています。
女「ヘアリージャックゥ! 来い!!」
女「契約が済んだら、絶対キミも殺してあげる。」
犬に跨ると、窓をブチ破って逃走してしまいます。
華麗なる巻き込まれ人生
タカラさん、大丈夫か? と、魔石を使ってくれたので、折れた指も元通り。HPも回復しました。
あいつ誰?
あいつは1週間前に施設を脱走したキチガイ、シドウハルカ。
筋金入りのサディストでシリアルキラーだ。
3年ほど前に連続殺人事件があったろ?あれの犯人さ。
ただのキチガイが悪魔の力を手に入れたとあっては、ファントムの手引きかもしれないし、背景を探らなきゃならない。
尾行していたんだ。
少し遅れたのは謝る。どうも気脈の流れが乱れててね、入るに手間が掛かったんだ。
店長気になる
コンビニにはすでに人だかり。警官が3人出てきました。
「ん?キミここでバイトしてるの?店長気の毒にね。
どうも転んだ拍子に棚の上から落ちたビール瓶が直撃したみたいだよ。まぁ、意識はあったし、大丈夫じゃない?
頭って、血がすごくでるからね。発見者がびっくりして、殺人だ強盗だって通報したもんだからちょっとした騒ぎになっちゃったようだね。」
「詳しくは事務所で話そう。少なくとも、一人でいるよりは安全だろう?
それに、その超能力は埋もれさせるにはもったいない。」
超能力気付いてたの?
神父と戦っている時、貴方達のことを忘れていたワケじゃないよ。
確かに貴方はPK能力を持っている。
まぁ、ちょっと驚いて意識がそっちにいった隙に、きつい一発貰っちゃったけどね。