第二話 壊れてゆくこの日常の中で(個別ヘッドライン 三門-2
変態に殺害宣告された三門君。
敵の異常さにジャックランタンは焦っている。
どうやらゲームでいうところの「勝てないイベントボス」的な存在らしい!
Boy meet rabbit
逃げようとすると、足音を大きく鳴らしながらゆっくりと追いかけてきます。
「ははは、どこへ逃げようというの? 頑張れ少年!
ここから抜け出せたら、お姉さんこの場は見逃してあげるわよ♪」
どれだけ走っても同じような道を走っているだけのような感じです。
その時、不思議な事が起こった!!
「おや、私の救い主様、こんな所でどうしたんです?」
壁に空いた謎の穴から、先日の兎がキュートな顔を覗かせています。
兎の恩返し
「何ですかあの変態は!ダメですよ、私のマネして鬼ごっこするのはともかく、あんな変態を鬼にするなんて!」
「とりあえず、あの穴から逃げましょう。少なくとも、鬼に捕まるよりはマシですよ!」
なんでこんなところに?
いやー、経絡…まぁ気とかマグネタイトの流れですね。それを伝って私この辺りを走り回っているのです。
ほら、私兎ですから。
最近、どうも経絡の流れがおかしくって、私も迷子になっちゃうんですよ。
Boy meet rabbit
トンネルを抜けると、そこは女の子の部屋だった。
なんと穴から出てみると、そこはリウの部屋…でした。
兎さん「あ、ただいまです。」
クローゼットから艶かしく身体をくねらせ、変態が現れました。スタイリッシュ痴女が匍匐前進で穴を潜っているビジョンを想像すると草不可避。
女「妙な術を使う兎ね。けれど、追いついちゃったわよ?」
しかしリウの部屋は異界化していない。
さすが魔女の住処! なんか色々あって術を邪魔しているようです。
女「おかしいわね…。私の周囲は異界に引き込むようプログラムされてるはずよ?
…インチキくさいけど、ルールはルールね…。この場は見逃してあげるわ。
けど、次はキミの方から、会いたがると思うわ。」
メール着信。
見てみると、動画が再生される。
そこには、見間違えるはずも無い三門君!キミの母親が後ろ手に縛られた痛々しい姿で映し出されているではありませんか!!
母の傍らに、土曜日に戦った悪魔がこちらを見つめています。
セレエA「先日は世話になりました。仮初(かりそめ)とはいえ我がマスターを打ち破り、このセレエをも敗走させたその力、ただの人の子とは思えません。
不本意ですが、私は復讐を忘れぬ悪魔…。
雪辱を晴らすべく、貴方の母君を客人としてお迎えしております。
無事に帰して欲しくば、クズノハの者と共に生野区外国人街奥のエコービルまで来て頂こう。」
映像はそこで止まり、地図が表示されています。
コリアンタウンの奥に形成され、都内にして大阪区外と揶揄されるスラムの一角に、彼らのアジト?があるようです。
女「と、いうワケよ。お友達を連れて逢いに来てよ。その時、一緒に楽しみましょう!」
と、言うが早いかスタイリッシュに窓をブチ破ってどっか行きます。
(ちなみに最上階です。)
これが、犬に跨って夕闇を舞うスタイリッシュ痴女とのありがたくない出会いでした…。